佐吉やの昆布よもやま話

Part1 昆布の歴史は古代に及ぶ。
二千年も昔の中国での話。
秦の始皇帝は、昆布が不老長寿の秘薬との噂を聞きつけて日本に使者を送り、昆布を手に入れたとか・・・。

真昆布が大量に産出される道南の南かやべ町では多くの縄文遺跡が発掘され、その各遺跡からソバやヒエの種子、マグロや鯨、オットセイの骨等さまざまな食べ物の痕跡が発見されており、豊かな食生活が形成されていたと想像されます。また秋田産のアスファルトや新潟産のヒスイが多量に出土したり、最近では日本最古と言われる漆の加工品も発掘されました。

縄文人は津軽海峡を超え、本州と交流していたのか、真昆布がその交流の重要な貨幣の役割を担っていたと推測する学者もいます。なにか悠久の古代のロマンがよみがえります。

こんぶに関して日本で一番古い記録は767(延暦16)年につくられた「続日本記」で、奈良時代の様子を記した歴史書に出てきます。この本に715(霊亀元)年に、蝦夷(現在の東北地方)の須賀君古麻留比から朝廷に献上された、と書かれています。この時代、「蝦夷」は北海道ではなかったのです。平安時代につくられた「延喜式」(律や令を実施するときのくわしいきまり)には、税の祖、庸、調により、地方の特産物を納める調として陸奥の国(青森県)からこんぶが納められていたことが記されています。


Part2 昆布いろいろ。
今回は昆布の種類や主な用途についてお話したいと思います。

昆布の生産は約95%が北海道、残りの5%が東北で産出されます。昆布は北海道の特産品なのです。

品種は産地によって区分され、食感や味が違い、加工の仕方や料理の方法によって使い分けられており、特に真昆布、利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布、長昆布などが有名です。

なまえ おもな生産地 おもな用途
●真昆布 南茅部を中心に、凾館から恵山沿岸 南茅部町の海は寒流である親潮と対馬暖流が交錯する場所で豊富な魚種、良質な海藻に恵まれています.この豊かな海で取れる真昆布は最高の品質と評価されている.特長は褐色で肉が厚く、まろやかな甘味があり口当りが良く、高級だし昆布、とろろ、おぼろ、塩昆布昆布〆などに利用されます
●利尻昆布 利尻、礼文を中心に稚内沿岸 真昆布や羅臼昆布より硬く、幅が狭い。だし昆布、千枚漬け等に利用されるます。
だし汁は澄んで香りもよく、甘味は薄く塩味のあるだしです
● みついし昆布 日高地区を中心に日高沿岸 通称日高昆布の名称で呼ばれてます。特長は幅が狭く、柔らかく煮えやすいので昆布巻や煮物、一般的なだしに利用されます
●羅臼昆布 羅臼を中心に知床半島沿岸 赤みをおびた表皮で、幅が広く真昆布に似ている。柔らかく口当たりが良い。
用途は高級だし昆布、千枚漬け、酢昆布等に利用されます
● なが昆布 釧路、厚岸、根室、北方四島 名前の通り長さが6mから15mと長い事から長昆布と呼ばれてます。煮物や佃煮、昆布巻すると柔らかく美味しいです。棹前昆布の名で親しまれているのは、5月下旬に採る未成熟の柔らかい昆布です。おでん種や早煮用に利用されますがだしには向きません

以上の様に昆布の種類はたくさんあります。

現代の私たちの食生活で最も不足しているのが食物繊維ですが、昆布は食物繊維の宝庫なのです。美味しくて健康の素になる昆布を食べ、昆布パワーで元気になりましょう。